2005年12月20日 09:07現在

  事件は散歩中に起こった。 いつもの道を歩いていると若い男性に声をかけられた。  自転車で走っているところをバイクに当て逃げされ、足を強く打ってしまったのだという。そして、家族に連絡をするために携帯電話を貸してほしいと言う。見ると本当に足が痛そうにしているし、大手の宅配業者の制服を着ており、仕事に向う途中であるようだ。  電話を貸すと自宅に電話しているらしく、「足の感覚がない」 とか 「仕事は行かなあかん」 とか話している。電話が終わり、少し事情を聞くと二人乗りの原チャリ(50cc バイク)に跳ねられたと言う。原チャリの二人乗りは違反であるし、ましてやそこは遊歩道で車やバイクが走行してはいけない場所である。  警察に連絡したほうが良いのではないかと言っても、「仕事が・・・」 と答える。せめて職場に電話して病院に行くなり、仕事に遅れるなりを説明した方が良いのではないかと聞くと、「家族が連絡してくれる」と答える。宅配業者にとって今は忙しい時期。茶髪で若い男の子なのに責任感が強いらしい。  職場を聞くと鶴野だと言う。彼と会ったのは阪急電車の線路付近。鶴野と言えば市役所の裏手。まだまだ距離がある。彼の自転車は壊れてしまって使い物にならない。足は大丈夫か、折れていないかと尋ねると 「動くから折れていないと思う」 と言い、職場に向って歩き始める。  彼のことが心配でならなかったが、今日は火曜日で山のようなチラシがある日だ。早く帰宅して入力作業をしなければならない。後ろ髪を引かれるように思いつつも、彼の 「大丈夫」 と言う言葉を信じて帰路に着いた。本当に彼は無事に職場までたどり着けたのかが今も少し気になっている。

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