今朝の電車内で、ジイサンとネエチャンの梅雨時にふさわしいジメジメとした陰湿な戦いを目撃した。先に電車に乗っていたのはネエチャンである。彼女はドア近くの手すりを背にして、それに体重をあずけてマンガの本を読んでいた。そこに乗り込んできたのがジイサンである。彼はネエチャンの背中と手すりの間に無理に手を入れようとしてゴニョゴニョと指を動かしている。当然のことながらネエチャンは 「何をするのだ」 という顔でジイサンを睨む。ジイサンは 「手すりにつかまらせろ」 と指を動かし続ける。ここまでの状況で判断すると、お年寄りにやさしくしないネエチャンが悪者であるが、状況は少し異なる。実は車内は混んでおらず、席にも座れるくらいなのだ。すぐに降りるのであればドア近くに立つのも分かるが、ジイサンもネエチャンも次の駅では下車しなかった。それどころか次の駅も、その次の駅でも降りない。どうして二人が、その手すりに執着するのかは謎だったが、意地を張り合っているだけなのであれば、”お互い様” であり、どっちもどっちなのであった。