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  • マサルノコト scene 21

    マサルは図体も大きく、ホンジャマカ石塚みたいな体型と、彼と同じような小さい目をしており、手だってグローブのように大きくてゴツイのだが、どういう訳かもの凄く手先が器用で、大きな体を丸めてチマチマとした細かい作業をするのがとても得意なのである。

    ある日、我が家に遊びに来ていたマサルが粘土を見つけ、チマチマと何かを作り始めた。 自分は絵を描いたり造形物を作ったりするのが好きだったので絵の道具やら粘土やらは部屋のあちらこちらに置いてある。 それを見つけて何やら作り出したらしいのだが、そんなことは気にせずにノブアキと馬鹿な話をして笑っていた。 しばらくするとマサルは 「ほれ」 とできあがったものを机の上に置いた。

    そこには体長 5cm くらいの躍動感あふれるゴモラの姿があった。 ご存知、ウルトラマンシリーズに登場する怪獣なのだが、それが精巧にできているのなんの、たった 5cm しかないのに今にも歩き出しそうな感じすらするリアルさであり、説明などされなくても、どこからどうみたって立派なゴモラでしかなく、それはそれは素晴らしい出来栄えだ。

    ノブアキと二人で 「すげぇ~」 と褒め称えると、ただでさえ大きなマサルの体はますます膨らみ、胸が反り返って後ろに倒れそうな勢いで大威張りしていた。

    そしてマサルは絵も上手く、美術の時間に描いたものの多くは貼り出されたりもしていた。 自分も絵を描くことは好きだったし、ある程度の自信もあったので同じように貼り出されることも多かったが、なにせまともに授業を受けなかったのでマサルのほうが成績も良かったに違いない。

    マサルも自分も何も考えていなかったのに、美術の教師が市が主催する何かのコンクールみたいなやつに勝手に二人の絵を出品したことがあった。 そんなことは何も聞かされていなかったのに、ある日の全校集会で賞状の授与式が始まった。 何が何だか分からないまま話を聞いているとマサルが金賞を受賞したとかで体育館の壇上に呼ばれ、賑々しく賞状なんか受け取っている。

    「すげ~」 と思う半面、絵には少なからず自信があったので悔しい思いもしていたのだが、実は授与式はまだ続き、金賞より上の 『何とか教育長賞』 という訳の分からない立派な賞が自分に与えられた。 それはとても嬉しいことだったが、人前で褒められたり賞状を受け取るのが照れくさい不良は不貞腐れた風を装い、笑いを必死にこらえながら壇上に立ったりしたものだった。

    そんな自分やマサルとは異なり、ノブアキには絵のセンスや造形美術のセンスは 1ミリのカケラもなく、作り上げたもので大きな笑いを振りまいていた。 ある日の美術の授業は厚紙で型をつくり、そこに石膏を流し込んで固め、置物というか飾り物を作る内容だった。

    そこでノブアキが作ったものは、何だか得体の知れないものだったのでマサルと二人、「それは何ぞ」 と尋ねると、ノブアキは胸を張って 「天馬だ!」 と答えた。 どこからどう見ても小学生が描く恐竜のような生き物で、長い首に太くて短い四本足、短い尻尾で背中に小さな羽まで生えている。 それが天馬だとぬかすのだから、マサルと呼吸困難になるほど笑い転げた。

    時は流れて全員が大人になり、帰省した際に集まっては、毎度のように 『天馬』 を肴にノブアキをいじめながら酒を酌み交わしたものである。

  • マサルノコト scene 20

    いよいよ中学生活も 3年目に入り、当然のことながらクラス替えが行われた。 それまで何をするのも一緒だったノブアキとは別のクラスになってしまい、教室も一階と二階に別れることになった。 それで疎遠になってしまったかと言うと決してそんなことはなく、休み時間にはお互いのクラスを行き来したり、放課後に一緒に遊ぶ生活が続いた。

    そしてマサルとの腐れ縁は三年生になっても同じクラスになることで続き、その一年間はいつも席が近かった。 進級したからと言って自分は何も変わらなかったが、周りの同級生たちは明らかに高校受験を意識し始め、一緒に授業をサボっていた奴も寝てばかりいた奴も少し真面目に授業を受けるようになってしまった。

    そうなると一人で遊んでいてもつまらないので、寝ている以外は必然的に授業を聞くことになる。 前の席に座っているマサルにちょっかいを出してみても 「うるさい!」 と叱られるだけだし、田舎町なので人通りも少なく、ボ~っと外を見ていても変化がなくてつまらない。

    何となく授業を聞いているうちに少しずつ内容を理解し始め、それまで白紙で提出していたテストにも答えを記入するようになった。 今は順位をつけると親が大騒ぎして教育委員会をも巻き込む大問題へと発展するが、当時はテスト結果を廊下に貼り出されたり、点数順に答案用紙を返されたりするのは日常茶飯事だったものである。

    今思い出しても不思議なのは、全教科を白紙で提出していたにもかかわらず成績がビリではなかったことだ。 同学年は 300人近くいたと記憶しているが、必ず自分より下に 2-3人の名前がある。 同じ 0点だった場合、あいうえお順にでも並んでいるのかと思ったが、それとは明らかに異なる。 それではクラス順なのかと言えばそれとも違う。 あの結果だけは今でも謎だ。

    そんなことはさておき、ビリから数人目だった成績は少しずつ良くなり、それまで 「高校に行けなかったらどうするんだ!」 と言われ続けてきたが、親からも教師からも何も言われなくなった。 実際のところは高校進学などどうでも良く、受験のために勉強をしている訳でもなく、いままで何もしていない上にテストを白紙で提出していたのが授業を聞いて答えを書いているのに過ぎなかった。

    自分では何も変わっていないつもりだったが、二年生のときに付き合いのあった不良仲間とはだんだん疎遠になり、マサルとかノブアキのような優等生と一緒にいる時間が長くなった。 結果的に少しずつ更生の道を歩み、決して優等生などではないが、普通の生徒として中学を卒業することとなる。

    卒業後しばらくしてマサルから本当のことを聞かされた。 三年生に進級する際、二年生のときの担任だった教師からマサルは呼び出され、三年になってもマサルと自分は同じクラスになることを事前に知らされたらしい。 そして、その教師から 「あいつのことを頼む」 と言われたのだと。 その指示をマサルは忠実に守り、自分のことを卒業するまで面倒をみてくれたのである。

    以前に書いた転校していく友達を授業を抜け出して見送ったのに、それを本気で叱らなかった担任、本気で叱り、時には殴られもしたが、小さなことには目をつぶってくれた担任、そして自分を見守り面倒を見てくれたマサルには、前回の最後にも書いたように感謝しているし、ある意味の恩人であるからして足を向けて寝られない。

    しかし、二人がどっちの方角で暮らしているのか良く分かっていないので、何も気にすることなくゴロゴロしたり就寝したりしている今の自分だったりするのである。

  • マサルノコト scene 19

    突然ではあるが、マサルは目が細い。 体型はコロコロしている。 お笑いコンビ 『ホンジャマカ』 の石塚英彦、最近では 「まいう~」 でおなじみの彼を想像すると分かりやすい。 キャラ的に似ていることをマサル本人も嫌がってはいないようで、数年前まで届いていた年賀状にはホンジャマカ石塚の顔がプリントされたりしていたものである。

    そのマサルの細い目が、常人と比較してどこまで視野が狭いのか気になって計測したことがある。 それはよくある測定方法で、ある一点を見つめたまま、上下左右どこまでの範囲で他の物体を捕捉できるかというものだ。

    まずは左右を試してみたが、180度を越えるところまで見えているようなので一般人と変わりはない。 目が細いといっても小さい訳ではなく、横幅は差がないので見えて当然か。 次に上下を計測してみたところ、明らかに常人より視野が狭い。 普通であれば下はアゴのあたりから上は眉毛のあたりまで見えるはずなのに、その範囲が異常に狭いのである。

    そんなマサルを馬鹿にして笑い転げていたが、大人だったマサルは 「うるせー」 などとは言うものの、本気になって怒るわけでもなく、一緒になって笑ったりしていた。 ずいぶんと長い付き合いになるが、今まで一度も喧嘩をしたことがないのはマサルが大人で、自分が勝手なことやワガママなことをしても我慢したり許してくれていたからだろう。

    scene 13 に書いたように風紀委員長をしていたマサルは鬼の検査官でもあった。 今の中学校の校則がどのようなものか分からないが、同時は人権蹂躙もはなはだしく、服装から髪型まで事細かに規定されており、規定以上に髪を伸ばそうものならハサミを手に生徒を追いかけ回すような、現在であれば大問題に発展しそうな教師までいたくらいだ。

    抜き打ちで持ち物検査をしたり、髪形の検査などもあったが、そんな時に率先して働かなければならないのもマサルの仕事だ。 当時、校則なんかくそ喰らえで髪を伸ばし、良からぬ物を隠し持っていた自分だが、カバンの中からコソコソと見つかってはならぬ物を制服のポケットに忍ばせ、伸びた横髪を耳にかけ、後ろ髪を制服の襟の中に隠して斜め上を見ながら嵐が去るのをじっと待っていた。

    誰がどう見ても怪しい雰囲気をプンプンに振りまきながら息を潜めているのだが、髪の長さを計る定規を手にしたマサルは自分のところだけは適当に検査しながら、小声で 「おまえ、ええかんにせーよ」 と言って立ち去っていく。 当然、他の生徒たちからは 「きったねー」 とか 「ずるーい」 などと罵声を浴びせられるが、「うるせー」 などと言って毎回のように見逃してもらっていた。

    教師もそれに気づいてはいるものの、「しょうがないなー」 とでも言いたげに苦笑いしながら見てみぬふりをしていてくれる。 もちろん、本格的に悪いことをすると教師に呼び出されて何時間も説教をされたし、時には思いっきり殴られもしたが、少々のことには目をつぶって見逃してくれる度量があり、「あなたのクラスの、あの生徒は・・・」 などと他の教師から言われても意に介さずにいてくれた。

    勝手気まま、自由な中学校生活を送れたのは、マサルも含めた周りの大人たちの度量と、優しさによって守られていたからであると今になって思う。

  • マサルノコト scene 18

    学校祭の余韻を味わうこともなく、ただダラダラとした学校生活が続く。 今にして思えば当時は何を考え、何を楽しみに生活していたのかさっぱり分からない。 授業もまじめに受けず、寝てばかりいたような気もするし、クラブ活動に専念する訳でもなく、虚無な時間を過ごしていたような気がする。

    基本的に友達と遊べるので学校は嫌いではなかったが、勉強をする気などさらさらなく、毎日のように遅刻して到着し、授業中は死んだように眠ったり、ボ~っとしながら無益な時間を過ごし、休み時間や放課後に全てのエネルギーを注ぎ込んでいた。 マサルやノブアキと持て余す体力を発散させ、毎日ヘトヘトになるまで遊んでいたような気がする。

    当時、ノブアキの家は学校のすぐ近くにあり、学校帰りに寄って遊ぶことも多かった。 ノブアキの父君がゴルフをされており、そのクラブや練習用の遠くまで飛ばないボールなどがあったので、誰が遠くまで飛ばせるかを競い、順番にではあったが何時間もボールを打ち続けたりしたこともある。 よくもまあ、飽きなかったものだと感心するのと同時に、その当時の体力を少し分けてほしいとすら思う。

    ある日、ノブアキの家の外に置いてあったポリバケツのフタが、投げるとフリスビーのように飛ぶことに気付き、三人でキャッチボールならぬキャッチフリスビーをして遊んでいた。 だんだんとコツをつかむようになり、カーブやらシュートやらを折りまぜたりしてエスカレートしてきた。

    そして、マサルの手から離れたバケツのフタは、空に見事な弧を描きながらノブアキから逸れて行き、側にあったブロック塀に向って進む。 それを何とかキャッチしようと塀に気付かず身を躍らせるノブアキ。 手を一杯に伸ばし、フタに触れたのと右手が塀に激突するのは同時だった。

    どういうタイミングでそれが起こるのか分からないが、ノブアキの右手の小指は熟れた果実が弾けたように裂傷してしまった。 切り傷とは明らかに異なる傷口からは、今までに見たこともないような量の血が流れ出し、事の重大さを物語っている。 慌てふためいたマサルと自分は、家の人に知らせて医者に連れて行かなければと玄関に転げ込む。

    在宅していたのはノブアキの御祖母様一人だったので 「大変なことになった」 と伝えると、「ありゃ~」 とのんびり構えていらっしゃる。 今の世の中であれば、「大切な孫に何と言うことを」 などと言って大問題になるところだろうが、当時は子供が怪我をすることなど当り前で、多くの子育てを経験された御祖母様にとって慌てるような事態ではなかったのかも知れない。

    救急車を呼んだのか、タクシーで病院に向わせたのか、はっきりとした記憶は残っていないのだが、とにかくノブアキが運ばれて行った後に残ったマサルと自分に御祖母様が 「よかったら食べなさい」 と切り分けたたくさんのスイカを運んでこられた。 たった今、大量に流れ出る血を見たばかりなので、赤々としたスイカは食べる気になれなかったが、一切れだけ御馳走になった。

    そして、自分にも責任があると感じているマサルと二人、トボトボと家路についた。 いったいどれほどの大怪我なのか心配でならなかったが、ノブアキは翌日から元気に登校してきており、何針も縫うことになってしまったが指は大丈夫だと聞かされてほっと胸をなでおろす。

    当時ノブアキと交際していた女の子を 「ノブアキの指は一生うごかないかもしれない」 などと言ってビビらせたり、怪我をした状況を身振り手振りを交えて面白おかしく友達に説明したりと、自分達の責任などコロッと忘れて普段の生活に戻っていく。

    暴れられないノブアキをよそに、マサルと自分は落ちていた空き缶を蹴りながら、何の目的がある訳でもなく、ただ蹴りながら、何となく自分が先に止めるのがくやしくて、ただひたすら蹴りながら、お互いに口も利かずに缶をパスしながら交互に蹴り続けながら下校したりもした。

    本当に虚無で無益な毎日を過ごしていたものである。

  • マサルノコト scene 17

    夜の学校は不思議な雰囲気だ。 普段であれば、絶対にいるはずのない時間、クラブ活動をしていた生徒も帰宅し、教師すら数人が残っているだけの校内。 演劇の通し稽古をするために体育館のステージに集まる仲間たち。 体育館はただでさえ声が響くが、それをかき消す他の生徒の声もなく、一切の雑音がない静寂の中に一人ひとりの声だけがこだまする。

    熱心に台詞を覚える仲間を横目で見ながら、自分は美術担当として舞台をどうやって作るか頭を悩ませていた。 物語の中心は学校の教室。 誰も見たことのない場所が舞台であれば、想像の世界なので抽象的な背景で済むが、場所が教室だとそうはいかない。 おまけに物語りの 99%は教室のシーンなので長く人の目に触れることになる。

    机や椅子は実際の教室から運び入れれば良いのだが、問題は教室の壁だ。 そこで、角材とベニヤ板でステージ一杯のセットを作り、教室の壁をすべて再現することにした。 黒板やそこに書かれている日直などの文字、壁の色から板張り部分の木の一枚から木目まで、ペンキや絵の具を使ってすべて忠実に描きこむ。 一部に出入り口のスペースを確保し、実際に教室の戸を外してはめ込んだ。

    劇の方は冒頭に喧嘩のシーンをもってきて派手なアクションから始め、観る側の関心を一気に惹きつけようという作戦だ。 動きを指示するマサルの声にも力が入る。 顧問である女教師からは 「早口すぎるから、もっとゆっくり台詞を言うように」 という指示があった程度で、それ以外のすべては自分たちの手で一から作り上げた。 いや、たった一点をのぞいては・・・。

    冒頭の喧嘩のシーンで一人が大怪我をしてしまい、救急車が駆けつけるというストーリーなのだが、そのサイレンの音を入手しなければならない。 そこで学校側が消防署に掛け合い、録音させてもらうことになった。 マサルと自分は、それぞれに忙しかったので女教師に録音してきてもらったのだが、その件で担任から 「教師を使うとは何ごとぞ」 とこっぴどく叱られてしまった。

    しかし、こっちはこっちで本当に忙しかったのである。 学校祭の日は刻々と近づき、美術担当の自分も脚本兼、演出担当のマサルも頭が一杯で、授業なんかうけていられないくらいだ。 出演者も授業どころではなく、机の下に台本を隠して何度も何度も読み返している奴もいるくらいだ。 そんな時にわざわざ消防署になんて行っているヒマなどないのである。 ヒマそうなのは女教師だけだったのである。

    毎日夜遅くまで学校に残り、時には真っ暗になった校内で肝試しをして遊びながらも、勉強の数百倍もの努力と練習を重ね、いよいよ学校祭の当日となった。 学校内の話なので特別な衣装など用意する必要がなく、いつもの制服で芝居をするのだが、ただ一つだけ問題が持ち上がった。 不良役にしている一年生の女の子が真面目な生徒なので当時の不良の定番であった長いスカートなど持っていない。

    そこで、不良をしていた同級生と一年生のスカートと交換させることにした。 同級生は死ぬほど嫌がっていたが、そこは不良仲間の自分が説得したり脅したりして無理矢理にでも着替えさせる。 ここで女教師が自分に白羽の矢を立てた理由がいかんなく発揮されたのである。一年生にスカートを履かせると、思った通りバリバリの不良に見える床を引きずるくらいの長さになった。

    そして、いよいよ本番の幕が静かに上がった。 舞台に再現された教室のセットを観て会場からはどよめきが起こる。 そして冒頭の喧嘩のシーン。 殴られ役の生徒が並べてある机や椅子が壊れるほどの勢いで転がり、場内に驚きと歓声が上がる。 そして照明が暗転すると、近づいてくる救急車のサイレンの音。 場内が騒然となり、一気に物語へと引き込むことに成功。

    物語の主人公はマサルとともに、いつも一緒にいたノブアキだ。 途中、台詞を忘れて必要以上に沈黙が流れるなどのアクシデントはあったものの、順調に芝居は進んでラストシーンへ。 最後は友達や友情がどれほど大切なものかを切々と語って幕が下りる。 そこで大きな拍手は貰ったが、それで終わらせる自分たちではない。

    再び少しだけ幕の中央を開け、エンディングの音楽が流れる中、模造紙を何枚も繋ぎ合わせて作った出演者や裏方の名前を左から右にゆっくりとスクロールさせる。 そう、映画やテレビドラマのエンドロールのように、演劇に関わった人たちの名前が一人ひとりスポットライトに照らされる。 そして最後に -THE END- の文字。 場内は割れんばかりの拍手と喝采に包まれた。

    自分とマサルを誘った女教師から全員に感謝とお褒めの言葉をいただいたが、木枯し紋次郎のように 「あっしには関係のねえことでござんす」 といった雰囲気で、成功の余韻に浸ることもなく翌日から何事もなかったように普通の生活に戻っていった仲間たちがカッコイイ。 大人になった今とは違い、人からの評価など気にすることもなく、ただ一つのことに向って何かをやり遂げる。

    代償や評価を求める現在とは異なり、子供の頃は全員がそういうものだったのかも知れない。

  • マサルノコト scene 16

    中学二年のある日のこと、学校で一番若い女教師にマサルと一緒に呼び出された。 教師から呼出をくらうことに慣れていた自分は平気だったが、マサルにはそんな経験がなく、いったい何ごとかと不安そうにしている。 自分も体育教師に殴られたり担任に叱られたりすることはあったものの、その女教師とは何の接点もないので心当たりすらない。

    二人で会いに行き、話を聴くと学校祭の演劇をやってほしいと言う内容だ。 そんなものにまったく興味もなく、まして不良をしている自分は、その話を持ちかけられること自体が不思議でならないのと、そんな恰好の悪いことなどできないという感情から、「ふざけるな。ば~か」 と相手にしなかった。 それでも 「お願い」 と頼んできたが、「うるせぇ」 と突っぱねていた。

    不良だった自分が人前で劇をするなど恥ずかしくて死んだ方がましだ。 どんなに頭を下げられようと、引き受ける訳にはいかないのである。 第一、どう考えても頭を縦に振る見込みのない自分に話を持ちかけるのが理解できない。 切羽詰って女教師の頭がおかしくなったのか。 「どうして俺達なんだ?」 と訊くと、マサルには人望があり、人が集められそうで、自分はそれを統率できそうだと答える。

    そう言われて悪い気はしなかったが、どう考えても乗り気になれず、態度を保留して席を立ち、マサルと 「どうするよ」 と話し合った。 女教師の話によると、演劇部というクラブはあるのだが、所属部員は一年生の女子が二人いるだけで、とても演劇などできる状態ではないということであり、せめて学校祭の時だけで良いから人数を集めて何とか演劇をしたいのだと言う。

    マサルも自分も、人から頼られたり何かをお願いされると断われないという部分があり、そんなに困っているのなら一肌脱いでやるかと重い腰をあげることにした。 女教師にその旨を伝えると、顔がぱっと明るくなり、気が変わらないうちにと一年生の女子二人を引き合わせ、演目を何にするかと学校教材でもある演劇のシナリオを並べ始めた。

    手にとってみると、それは文学全集の中から抜け出てきたような世界観の劇であり、とてもじゃないけど恥ずかしくて人前で披露できる代物ではない。 そんなものに興味がないのは自分だけではなく、おそらく全校生徒の大多数が興味を示さないものと思われる。 ただでさえ、演劇など始まっても誰も関心を示さず、ペチャクチャと話をしたり、席を立ったりするものが多いのに、教科書どおりの劇など誰が見るか。

    マサルと自分は、どうせやるなら生徒が関心を持ち、最後まで観てもらえるものにしてやる宣言し、当時から多くの小説を読み、文章を書く能力が高かったマサルがシナリオを学校祭用に書き下ろすことにした。 その辺の作業はマサルに任せっきりだったので、マサルがどのように悩み、どれだけ苦しんで台本を書いたのか分からないが、数日後に書きあがったばかりの台本を読ませてもらった。

    それは 『青春学園サスペンス友情物語』 とでも表現すれば良いのか、とにかく中学校で起こる事件を探偵役の生徒が解決に導くという内容で、同世代が登場人物なので話が解りやすい。 さらに適度な謎解きとサスペンスが散りばめられた 『火曜サスペンス劇場』 の中学校版ともいえる内容は、生徒も興味を持って観てくれるに違いない。 とりあえずは 「よくやった」 とマサルを誉め称えておいた。

    事前に事情を説明したり半ば脅したりして、演劇への参加者を募っていたので、登場人物は探偵役の一名を除いてすべて実名だ。 同級生にとってもこんなに解りやすいことはない。 おまけに、各クラスのそこそこの人気者を半強制的に集めたので出演者にも華がある。 マサルは脚本と監督に専念し、自分は美術担当を買って出たので二人は裏方に徹し、表には一切顔を出さないという作戦だ。

    そして、クラスの人気者や優等生、不良まで入り混じるという錚々たる面々が集結し、学校祭に向けての準備が開始されたのであった。

    - つづく -

  • マサルノコト scene 15

    いつも遊んでいた仲間の一人、セイジが転校してからは自分とマサルとノブアキの三人組となってしまったが、その三人の絆はむしろ深まったような気がする。 セイジが新しく暮らすことになった土地は、遥か 2,000km の彼方であり、簡単に会いに行ける距離ではない。 当時の電話料金からいって、頻繁に話ができる距離でもない。 かと言って、手紙を書くのも面倒だ。

    そこで考え出したのが、当時はメジャーな媒体であったカセットテープに声を録音して送るというものだ。 現在であれば、簡単に E-mail で連絡を取り合ったり、その気になれば写真だって動画だって送信できるが、当時は手紙以外の連絡手段で、思う存分に近況を伝えることができるものと言えば、カセットテープに声を吹き込んで送るのが最善の手段だった訳である。

    マサルとノブアキが、それぞれ自分のカセットテープレコーダーを持って我家に集合し、それぞれの機器を接続して BGM を流したり、好きな曲を録音したりしながらマイクに向って、あーでもない、こーでもないとしゃべり続ける。 単純に言えば、ラジオ番組の真似事をしながら、A面、B面合わせて 120分くらの声の便りを作成したのである。

    それが一カ月に一度の割合だったのか、二カ月に一度の割だったか覚えていないが、まるで定期行事、義務でもあるかのように録音し続けた。 120分の録音時間とは言え、途中で曲を録音したり休憩したりするので、午後から始めた作業が終わるのはいつも夕方おそくになってからだ。 しゃべり疲れ、笑い疲れ、いつもクタクタになってしまうが、それはとても楽しい時間でもあった。

    それ以外にもマサルと二人でノブアキの家に遊びに行き、父上のゴルフクラブと練習用の飛ばないスポンジ製のボールで飛距離を競ってみたり、ゴミを捨てるポリバケツのフタをフリスビーの代わりにして投げあって遊び、ノブアキが右手の小指に何針も縫う大怪我をしたり、それなりに男の子らしく、やんちゃで元気な生活を送っていた。

    大晦日の夜は三人で待ち合わせして、年が明けると同時に神社まで初詣に行き、すぐに別れて帰宅するのもつまらないので、ノブアキと自分は喫茶店にでも行って話しでもしようと提案するのだが、scene 11 にも書いたような、クソ真面目なマサルが同調するはずもなく、初詣の帰りは我家に集まり、朝まで話しをしたりするのが毎年の恒例となった。

    夜通し遊び、早朝に帰宅することになるからマサルもノブアキもフラフラで、すぐに布団に入って爆睡状態になるものだから、それぞれの家族が元旦の朝に顔をそろえることがなく、「いつも正月らしい朝を迎えられない」 とマサルの親からもノブアキの親からも半分冗談で嫌味を言われていた。

    それほど仲良くしていても、クラス替えというのは非情なものであり、中学三年生になるとノブアキは違うクラスになってしまった。 おまけに三年生ともなれば高校受験が目の前に迫っており、自分などは先のことなど考えずに遊んでいたが、優等生だったノブアキは受験勉強を優先し、日常的に遊ぶ機会は大幅に少なくなってしまった。

    しかし、セイジに向けた声の便りだけは、それからも三人で定期的に録音し続けたのであった。

  • マサルノコト scene 14

    それは、あまりにも突然のできごとだった。 セイジの親は全国の隅々まで、どこに転勤になっても仕方のない仕事をしていたのは事実だが、その事実が伝えられ、一カ月後にはこの街、この学校、このクラスから去って行ってしまうなど、あまりにも時間がなさすぎる。

    当時、学級には班というものがあり、自分とマサル、セイジ、ノブアキの男 4人、マミ、マミ、クミ、チズコの女 4人で構成されていた。 その中でセイジとチズコ関係がどこまで進んでいたか詳しくはないが、とりあえずは恋仲であろうことは周知の事実となっており、今後の二人の関係がどうなってしまうのかというのも最大の関心事となった。

    自分やマサルとノブアキは、セイジと仲良くしていたものの、転校が決まってしまったのだから仕方がないと割り切って残り少なくなった日々を送っていたと思う。 何も特別なことをする訳でもなく、最後のその日まで普段と変わらぬ学校生活、いつもと同じ休み時間。 余す体力を発散させるように暴れ、声がかれるまで大騒ぎし、涙が出るほど笑っていた。

    そしてセイジが登校する最後の日。 記憶が定かではないのだが、出発の時間の都合で何時間目かまでの授業は受けていたような気がする。 そして、次の授業が始まる頃にセイジは両親と共に学校を去って行く。 クラスでセイジを見送らないのかと担任に聞いたところ、「そうするつもりはない」 との回答。 しかし、友達の去りゆく姿を見ることが出来ないのは納得できなかった。

    これまでの 『マサルノコト』 では、何度となく 「マサルは真面目だ」 と書いてきたし、事実、それは現在に至るまで変わらないので、持って生まれた気質なのだろう。 とことん反抗期だった自分は、寝坊して学校に遅刻するのも授業をサボるのも平気だったが、その超真面目で曲がったことが大嫌いなマサルは、この日、セイジを見送るために生まれて初めて授業をサボった。

    ノブアキも女子 4人も授業を受けず、一緒の班だった全員が通用門でセイジと両親が出てくるのを待っていた。 普段はうるさいくらいに騒いでいる仲間なのに、みんな口数も少なく、どこかうつむき加減で最後の時を待つ。 チズコは何かに耐えるように一点を見つめて動かない。

    少しして学校側に挨拶を済ませたセイジと両親が姿を現した。 寂しい気持を抑え、努めて明るくセイジと別れの挨拶を交わしたが、今となっては何を話したのか覚えていない。 セイジとチズコが話すとき、全員が気を利かせて少しその場を離れた。 何を話しているのか聞こえなかったが、チズコの目から涙があふれていたのだけは鮮明に記憶している。

    ご両親は、教室に戻らないと先生に叱られると心配してくださったが、誰も戻る者はおらず、校門を出てセイジの姿が見えなくなるまで見送り、最後まで手を振った。

    別れの余韻にひたっていると、「ちょっと来い」 という担任の声。 受け持った生徒を見送りに来ていたのだろう。 そのままゾロゾロと職員室の前まで連行され、全員が廊下に並ばされた。 そして、「正座して反省しろ」 との命令を受けて全員で正座し、一人ずつゲンコツをもらってしまったが、その手に力はなく、頭に触れる程度のものだった。

    驚いて担任の顔を見ると、「困った奴らだ」 とでも言いたげに目は笑っていた。 近くにいながらセイジを最後まで見送らせてくれたこと、授業をサボったことを本気で叱らなかったことに関しては、今でも感謝しているし、その心意気が嬉しかった。

    生まれて初めて授業をサボり、廊下を通る上級生や下級生、他のクラスの奴らにクスクス笑われながら正座を続けるマサルだったが、やったことを後悔はしていないようで、その横顔はどこか誇らしげでもあった。

  • マサルノコト scene 13

    過去に繰り返し書いているように、マサルは真面目を絵に描いたような男であり、真面目の前に ”クソ” がつくほどですらあった。 どちらかと言えば優等生組みの仲間で、マサルのほかに 『セイジ』 と 『ノブアキ』 という友人もいた。 マサルは生徒会の風紀委員長、セイジは生徒会副会長、ノブアキに関しては忘れてしまったが、何らかの役員をしていたはずだ。

    当時は不良をしていた自分が優等生組みとも仲良くしていたのは、良く言えば一匹狼で特定の不良グループに所属せず、悪く言えば中途半端で優柔不断であるゆえに、一本芯の通ったバリバリの不良にもなれないねじ曲がった性格だったことに起因するが、マサルを介してセイジやノブアキとも親交を深めていた部分が大きい。

    自分と比べると三人とも真面目な優等生ではあったが、そこはヤンチャ盛りの中学生、現代では信じられないほど厳しい内容の校則が生徒手帳に細かく記載されていたものの、それを一から十まで厳守している訳でもなく、教室や廊下を走り回ってみたり、相撲やプロレスの真似をして暴れたりして持て余すエネルギーを発散させていたものである。

    中学二年当時の教室は校舎の一番端にあり、最もトイレが遠い場所でもあった。 そのトイレに行って用をたし、帰路はコースを変えて体育館を経由して教室に戻るまでの時間を競ったりもしていたが、風紀委員長という立場から廊下を走る訳にいかないマサルが時間の計測係りを務めていた。

    教室の前の廊下に自分とセイジ、ノブアキの三人が並び、クラウチング・スタートの姿勢をとってマサルのゴーサインを待つ。 張り詰めた緊張感の中、マサルの掛け声と共に一斉に体が動く。 その体が伸びきった瞬間、ゴイィ~ンという奇妙な音と共にノブアキが廊下に倒れこんだ。 何事かと思ったら、少し高い位置に備え付けてあった消化器に頭を強打し、その場でのびてしまったのである。

    それは幸いにも大怪我には至らず、ノブアキの頭に大きなタンコブができる程度で事は済んだのだが、ある日のこと、廊下でセイジとノブアキが相撲の真似をして遊んでいた際に事件は起こった。 自分は行司を務め、マサルは風紀委員長という立場から取り組みには参加できず、廊下にドッカリとあぐらをかいて審判役を務めていた。

    「はっけよ~い、のこった!」 の合図で二人は綺麗な立会い。 両者技の応酬で一進一退の攻防が続く。 セイジがバランスを崩したところでノブアキが一気に攻めに出て上手投げをうった。 それを必至にこらえるセイジだったが、力尽きて後ろに倒れこむ。 その際、太く四角い柱に腰を強打してしまい、打ち所が悪かったのか 「あ゛~!」 という声にならない声とともに苦しみだした。

    怪我の名前は忘れてしまったが、それはことのほか重症となってしまい、救急車で運ばれたセイジは入院生活を余儀なくされた。 ことの重大さに最初は青くなっていたノブアキとマサル、そして自分だったが、毎日のようにセイジが入院している病院に見舞いに行き、ゲラゲラと大声で笑っては看護婦さんに 「うるさーい!!」 と叱られたりしていた。

    そんな交友関係は卒業するまで続くものだと思っていた。 いや、正確には先のことなど考えたこともなく、時はいつまでも続くような、この瞬間が過去になっていることなど気付かずに生活していた。 時が経過していることなど意識せずに毎日を過ごしていた中、突然、親の仕事の都合でセイジに転校の話が持ち上がった。 ・・・次週へ続く

  • マサルノコト scene 12

    scene 11 に書いたようにマサルはとにかく真面目な奴で、それは真面目の上にクソが付くくらいなのだが、もの凄く短気でキレやすいのもマサルの特徴だ。 時には教師に向って攻撃的にでることすらあった。 当時不良だった自分とは異なり、最初から教師に対して挑戦的という訳ではなく、真面目な性格が災いしてか、理不尽なことに対しては異常なまでの拒否反応、過剰反応を示すのである。

    マサルの天敵に社会科を教え、『カバレンジャー』 というあだ名を持つ教師がいたのだが、教科を担当していた一年の間に何度となくマサルとの抗争事件が繰り広げられた。 端緒となったのはテストが返される際の出来事である。 一人ずつ名前を呼ばれ、採点済みのテストを受け取りにいく。 マサルの名が呼ばれ、カバレンジャーからテストを受け取るときに誰かがマサルを呼んだ。

    その声に反応して振り返るのとカバレンジャーの手からテスト用紙が離れるのが同時となった結果、少しだけ強い勢いで手から離れることになり、それに対してカバレンジャーが 「なんだ!その受け取り方は!!」 と怒り出した。 乱暴に取った気などないマサルはポカンとしていたが、カバレンジャーは 「やりなおせ!」 と言い、マサルからテスト用紙を奪って席に戻るように指示する。

    その段階で少しカチンときていたマサルだったが、一応は大人しく席につき、再度名を呼ばれてカバレンジャーのもとへ行くと、うやうやしく両手でテスト用紙を受け取った。 そうされて逆上したのはカバレンジャーだ。 「なんだ!そのわざとらいしい態度は!もう一度やりなおせ!!」 と顔を真っ赤にしてわめき散らしている。 憮然とした表情で席に戻るマサル。

    その段階でマサルの体内の血液は沸点に達し、完全に目が据わっている。 三度目の名が呼ばれ、席を立ったマサルはドスドスドスと音を立てながら歩き、カバレンジャーの手からテスト用紙をもの凄い勢いでひったくり、目の前でビリビリに破いて床に叩きつけ、ドスドスと自分の席に戻ってどっかと座り、腕組みをして 「何か文句でもあるか」 といった感じで睨みつけている。

    カバレンジャーはモゴモゴと文句を言っていたようだが、あまりの迫力に押されてしまい、第一次抗争事件はウヤムヤのままブスブスと火種だけをのこして一応の決着をみた。 それからというもの完全に目をつけられてしまい、ほんのわずかな私語やアクビなど、ことあるごとにマサルを叱るカバレンジャーと、それに耐えつつも時々反撃に出て抗争事件を引き起こすマサルの姿があった。

    中学二年当時、他のクラスの担任が 「君たちを受け持つ一年間、決して怒らない」 という約束をして、それを見事に果たしたのだが、その一年間の反動からか、翌年にはすぐに怒り出す暴力教師へと華麗なる変身を遂げた。 その事実をまだ知らない生徒は何が起こったのか理解できず対処に困っていたが、ある日の午後に事件は起きた。

    数学を担当するその教師が教室に現れ、授業を始めようとしていたときに最前列に座るケンゾウという奴が隣の奴と話をしていた。 そこで注意すれば事は済むはずだったのに、その暴力教師は数学の授業で使う大きな三角定規でケンゾウの顔を往復で殴った。 それを目にして真っ先に反応したのはマサルであり、我々不良組みが 「オラオラ」 と言って席を立つよりも早かったのである。

    そんなマサルの性格も大人になったら直るものかと思っていたのだが実際は変わらないものらしい。 今も勤める、その名を誰もが知っている大企業で、入社直後に受けていた研修の教官と大激突をやらかしてしまい、それが祟って日本の端にある小さな営業所に飛ばされてしまった。 マサルのことだから妙なキレ方をしたのではなく、自身の中にある正義感では許せない理不尽があったものと思われる。

    人並みにズルく世間を渡ろうと思えば何も衝突までしなくても良いはずだが、それを許さないのがマサルらしいところであり、良くも悪くも性格が真面目すぎるから引き起こしてしまう騒動なのだろう。 今では互いにオッサンとなり、鋭くとがった角も丸くなって落ち着いたものと想像するが、マサルのことだから相変わらず上司と衝突を繰り返しているのかも知れない。