タグ: 健康診断2011年1月

  • 健康診断2011年1月 後編

    先週からの続き ~

    検査室に入ると左右の鼻に麻酔薬を噴霧され、
    「ノドに流れるのは飲み込んでください」
    と言われるままにゴックンと飲むと、その液体には強い刺激があったのでゲホゲホとむせ返ってしまい、それが口に逆流すると得も言われぬ味がしてひどく気持ちが悪く
    「オエっ」
    となっているところに情け容赦なく
    「はい、もう一度」
    と噴霧されるというSMのような光景。

    そのまま数分間ほど放置されると、だんだんノドの感覚を失って唾液を飲み込むことすら困難になってくる。

    たぶん飲み込めてはいるのだろうが、何せ感覚がないので自分のノドが動いていることも分からなければ唾液が通過した感覚もない。

    そして、
    「もう一度入れますね~」
    と、さらに麻酔薬を噴霧されて再びゲホゲホむせる。

    それから数分後、ついに検査医が登場し、胃カメラの先に滑りを良くするジェルを塗りながら
    「口からのものより細い分、内部を撮影できる範囲が狭いので時間がかかります」
    などとぬかす。

    そんな話は聞いていないが、今さら
    「こちとら気が短けーんだから口からにしてくんな」
    などとも言えないので了承の返事をしようとしたところ、麻酔でノドが麻痺していて声帯までアホになているのか、『はい』と言うつもりが
    「はひ」
    と声が裏返ってしまう。

    いよいよカメラの先が顔に近づき鼻の穴に挿入開始。

    最初は簡単に進んだが鼻の奥からノドに差しかかるとき、麻酔が効いているのにもかかわらず痛みを感じるほどの違和感が続く。

    あえて言うなら、鼻から水が入ってしまったときにツーンとする 16倍くらいの痛みだ。

    そしてノドを通過する際にはやはり嘔吐感があり、
    「オ゛エ゛ェェェ」
    となってしまう。

    看護師さんと検査医に
    「ここが一番辛いところですからね~、がんばってくださいね~」
    と励まされ、やっとの思いで危機を乗り越える。

    確かにそこから先はスムーズで、カメラは一気に胃まで到達したようだ。

    空気を送り込まれて胃が膨らんだりするのは前回と同じだが、ゲップのようにボコボコとノドを上がってこないのは管が細いおかげか。

    検査医は手元の操作でカメラの位置とか角度を調整しているが、体内で何かが動く感覚というのは決して気持ちの良いものではない。

    一通りの撮影が終わり、ズリズリと管を引きぬいて検査は終了。

    最後にスポっと鼻の穴からカメラが出ると、ジェルなんだか鼻水なんだか分からないものがダラダラと流れ出るのでティッシュで必至に拭きとる。

    医師の説明によると、ポリープの形状、色とも前回と大差なく、良性のまま癌化はしていないので大丈夫とのことで、腸との境目と食道の境目に炎症と突起がみられるものの、これは慢性胃炎であれば誰でもおこる現象なので心配はいらないと説明を受ける。

    しかし、自覚症状などなかったので
    「慢性胃炎なんですか?」
    と聞いたところ、
    「まあ、日本人の 90%くらいは無自覚の慢性胃炎ですから」
    とのことなので少し安心する。

    「経過は問題ありませんでしたけど、定期的に検査しましょう」
    と言い渡されてしまったので、また来年も胃カメラ確定である。

    健康診断をしている場所に戻り、最後は爺ちゃん医師による面談と触診だ。

    血圧を測定すると上が 90の下が 72と低く、
    「フラフラしないか?」
    と訊かれてしまった。

    実は以前から低血圧気味なのは指摘されており、たまにフラフラすることはあったが、その時は気にならなかったので
    「大丈夫でふ」
    と、まだ麻酔が効いて感覚のにぶいノドで答えておいた。

    次に聴診器を当てての診断だが、胸の音を聴かれているときに脇腹がかゆくなり、コリコリっとかくと聴診器には大音響として聞こえるらしく、
    「ちょっとかかないでいてね」
    と言われてしまったが、背中の音を聴かれているときもかゆみを感じ、ボリボリとかくと
    「腹をかかない!」
    と叱られてしまった。

    それで一通りの検査が終了し、着替えて帰るだけとなったが、相変わらずノドの感覚がなくて唾液を飲み込もうとするとゲホゲホむせてしまう。

    仕方なしにトイレの洗面台に吐き出しすこと数回。

    清算して病院を出ても感覚は戻らず、普段は絶対にしないことだが、帰宅するまでに何度か地面につばを吐いてしまった。

    家に戻ってからも完全には感覚が戻らず、前日の午後9時から飲まず食わずでノドがカラカラに乾いているが水分補給できない。

    それから 30分ほどして何とかスムーズに唾液も飲めるようになり、約15時間ぶりに水分補給。

    ・・・。

    少しずつゆっくり飲んだコーヒーの味は格別なものがあった。

  • 健康診断2011年1月 前編

    2011年1月14日金曜日、数日前から北海道上空に居座る寒気の影響で底冷えするほど気温は低く、雲の流れも早くて太陽が見え隠れしており、ただでさえ楽しくはない場所に向かう足取りも重たい。

    その日は年に一度の健康診断を受ける日。

    本来であれば昨年末、2010年の11月に受診するつもりだったのだが、申し込みをするタイミングが遅かったことと、胃カメラの空きを待たねばならなかったので今年までずれ込んでしまった。

    そう、気が重くなる最大の原因はこの胃カメラであり、前回は口からの挿入で地獄の苦しみを味わったので今回は鼻からの挿入を希望していたものの、恐怖がぬぐい去られた訳では決してなく、むしろ新たなことに挑まねばならぬ不安でいっぱいだ。

    それでも鼻からの胃カメラは口からのものと比較してずいぶん楽であり、医師と一緒に映し出される画面を見ながら余裕で会話までできると聞いていたので 2009年の不安よりは少し軽い。

    しかし、楽しい事ならいざしらず、嫌なことをされに行くことに変りはないので必然的に足は重くなってしまうのである。

    採便した容器の提出と受付を済ませ、検尿用の紙コップを渡されてロッカールームに向かい、着替えながら考えていた。

    今は紙コップが多く流通しているが、昔の検尿はどうやっていたのか、ビーカーのようなガラス製の器を使い回していたのか、そう言えば検便も現在はキット化されているが、昔はマッチ箱に入れて持参したと聞いたことがあるが、あれは本当の話なのだろうか。

    トイレで採尿も済ませて待合室に行くと、順番待ちしている人の 80%くらいが女性だったので少し驚く。

    その女性たちがグループ化しているので職場の人が団体で受診に来たのかも知れないなどと考えていたが、男性の中に白衣を着た人が何人かおり、会話を聴いているとこの病院の医師や看護師らしく、今日は院内の健康診断の日でもあるらしいことが分かった。

    最初は胸のレントゲンだったが、それは機械に胸をつけるときにちょっと冷たかったくらいなもので何事もなくクリア。

    次は問題の採血である。

    この病院の、とくに 2階にある処置室の看護師さんたちとは相性が悪いらしく、血管注射をすると高い確率で腕が紫色になってズキズキ痛む。

    ところが今回の人は普段は見かけない人だったので一階の人なのかも知れないが、針の挿入時にも強い痛みは感じず、終わってからも、そして今も腕の色は変わっていないので相性の善し悪しというのは本当にあるのだろう。

    次に心電図だが、これも吸盤が異様に冷たかった程度で問題なし。

    ・・・ちなみに、ここでの 『クリア』 や 『問題なし』 は無事に終わったという程度であり、さらには主観であるため検査結果がどうだったかは約一カ月後にならなければ分からない。

    次は身長、体重の測定だが、検査装置に乗ったときの姿勢が悪かったようで、看護師さんが
    「あれ?縮んでますね」
    と首をひねりながら
    「アゴを引いてもう一度乗ってください」
    と言うのでやり直してみたところ、
    「ああ、やっぱり、去年と同じ身長ですね」
    と納得していた。

    次は視力検査だが、今回はメガネをして初の検査である。

    2009年の検査で視力の悪化に愕然とし、それを機にメガネを買うことになったことを思い出しているところにガーゼを手渡され、それが何を意味するのか分からずボ~っとしていると、
    「それで左目のレンズを押さえてください」
    と指示された。

    黒色のオタマみたいな物はメガネをしてない人が使うもので、メガネをしている人はガーゼでレンズを押さえて検査するということを初めて知った。

    メガネを使い始めてから約一年、視力の衰えが進んでいるような気がしたが、1.0以上はあったようなので問題はなさそうだ。

    次には腹囲測定と聴力検査。

    腹囲はメタボにギリギリ状態で、これ以上は太らないようにと宣告されてしまった。

    聴力に関しては電子音が聞こえるには聞こえたが、結果がどうなのか分からない。

    そして、いよいよ胃カメラの番である。

    健康診断を受ける場所に胃カメラの装置はないので院内を移動して検査を受けに行かなければならないが、前述したように看護師さんたちも検査を受けていたので近くにいた人に案内の人が
    「あ、◯◯さん、この方をお願いね」
    と引き渡され、検査着姿の看護師さんに連れられて場所を移動した。

    途中、気を使ってくれて
    「診断は毎年受けられているんですか?」
    と話しかけてくれたが、これからのことを考えると気もそぞろで
    「はぁ・・・」
    などと覇気のない返事をしながらトボトボと歩く。

    少しずつ、そして確実に検査室は近づいてくる。

    逃げるなら今しかないが、同行している看護師さんはドーンとしていて体力では勝てそうにない。

    そして、ついに検査室の扉が開き、いよいよ中へと足を踏み出す。

    ・・・が、長くなってきたので次回に続く。